ヨーロッパ ファッションの変化 “もう動物を傷つけない”
世界をリードしてきたヨーロッパのファッション業界が今、大きく変わり始めています。
有名ブランドが次々と“脱毛皮”を宣言しているのです。
さらに革を使わず、新しい素材を開発する動きも活発になっています。
「動物を傷つけない」という考え方が広がるファッション業界はどこに向かうのか、探りました。
(ヨーロッパ総局記者 古山彰子)
パリに本社を置くケリングは、グッチやサンローランといったブランドを傘下に持つファッショングループ大手です。
このグループが去年9月、ことし秋のコレクションから、すべてのブランドで毛皮の使用をやめると宣言しました。
すでに取りやめたグッチに続いて、傘下の有名ブランドが次々と“毛皮フリー”に移行しています。
ケリング フランソワアンリ・ピノー会長兼CEO
「世界は変化しており、ラグジュアリーブランドも当然、それに適応させていく必要があります」
イタリアのアルマーニは2016年、プラダは2020年から“毛皮フリー”になりました。
この数年、ファッション大手の間で毛皮の使用中止の動きが相次いでいるのです。
有名ブランドを扱うファッション雑誌も続きます。
パリで創刊され、世界43の国と地域で販売されている「ELLE」は、毛皮を使った商品の掲載を一切やめることになりました。
世界を代表するファッション雑誌がなぜこうした決断にいたったのでしょうか。
コンスタンス・ベンケCEOに聞くと、「毛皮はもはや価値観に合わない」という言葉が返ってきました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220502/k10013599511000.html