中国語を話したくない台湾人たち──「台湾語」が流行中(ニューズウィーク日本版)
https://news.yahoo.co.jp/articles/762fea513698739b03871134419e06c0f800e6fd
台湾の若者の間で今、台湾語が流行していることはあまり知られていない。
背景にあるのは台湾人意識(台湾人としてのアイデンティティー確立や独立意識)の高まりだ。
●台湾語ロックバンド茄子蛋の代表曲「浪子回頭」
台湾語とは通常はびん南語を指し、台湾の公用語である中国語(華語、国語と呼ばれる)とは異なる。国民党が1945年に台湾入りする前、現在の福建省から台湾南部に移住してきた人々が話していた言語だ。
現役世代からすれば、おじいちゃん、おばあちゃんが話していた言葉。その台湾語を使うことで自らのアイデンティティーをより強固にするということなのだろう。
「私たちが使っていかないと、あと5~10年で台湾語は消えてしまう」と危機感を示す若者も少なくない。
「中国と同じ言語を使いたくない」と主張する者もいる。
それはカルチャーの分野にも広がっていて、人気の台湾語ロックバンド茄子蛋の代表曲「浪子回頭」はYouTubeの再生回数が1億回超。拍謝少年も台湾語ロックバンドとして有名だ。漫画や文学にも広がりを見せている。
1987年まで続いた戒厳令時代には、迫害されていた歴史も持つ台湾語。押し付けられた中国語を捨て、公用語にする日は来るのだろうか。
【神田桂一(ライター)】
<<2022年5月3日/10日号(4月26日発売)は「(本当に)日本人が知らない世界のニュース50」特集。人類史上最大デモが起こった国は?中国EVの発祥は?慰安婦追悼碑の現状は?――日本で報道されない最新事情50選>>