【ベルリン=中西賢司】ドイツのショルツ首相は2日、公共放送ZDFの番組で、ウクライナを訪問する予定は当面ないと述べた。国家元首のフランクワルター・シュタインマイヤー大統領が同国から訪問を拒否されたことを「驚くべき出来事だ」とし、「それがネックになる」と述べた。

 シュタインマイヤー氏は4月12日、首都キーウを訪れる計画が先方から「望まれなかった」と訴えていた。ロシアに融和的とされる姿勢をウクライナ側が懸念したとみられるが、ショルツ氏は番組で「多くの軍事、財政支援を行っている国の『大統領は来るな』と言われてうまくいくはずがない」と話した。
 ドイツでは重火器供与などの支援が後手に回っているとしてショルツ氏の「指導力」を問う声が強まっており、今回の発言が新たな火種になる可能性もある。DPA通信によると、駐独ウクライナ大使は「ふくれっ面をするのは政治家らしくない。これは幼稚園ではなく、ナチス・ドイツ以来の残忍な戦争の話だ」と反発している。

読売新聞

https://news.yahoo.co.jp/articles/2788e0bac731b598b7361cdcdcd11b50d17326eb