世界的な半導体不足が長引いてるなか、チップ製造機向けのチップが足りないために悪循環に陥っているとの観測が報じられている。

米The Wall Street Journalの報道によれば、インテルやアップルなどのチップ製造も請け負う台湾TSMC社の幹部が、チップ製造機用のチップも供給不足に含まれていると語ったという。チップメーカーは生産量を増やす必要があるが、そのためにはチップ製造機を追加しなければならず、その調達でつまづいているというわけだ。

最も大きな問題はCPUやGPUといった集積度の高い製品ではなく、電源管理用チップなどありふれたチップ不足にある。さほど高度ではないチップは、iPhoneから工業製品まで幅広く使われており、多くの企業の奪い合いとなっているためだ。

米国製のPCが注文をさばき切れていないのも、電源管理用チップなどが足りないためであり、iPhone 13も年末商戦を前にしてプロセッサー以外の周辺部品が入手できず生産が数日ストップしたとの報道もあった。

「チップ不足は2022年内に緩和する」との予測も少なからずあるが、WSJはチップメーカー各社が、それは楽観的すぎると述べていると報じている。すでにチップ不足は業界にとって構造的な問題に発展しており、多くのチップメーカー幹部は2023年か2024年、あるいはもっと長引くと語っているとのことだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4d2e8e5fc3d60ddbdaf38051dc17fa4a04887f3d