「夢ばかり抱いて、チェックすべき項目を疎かにすると、ギャップに苦しむことになります。家からスーパーまでの距離はどのくらいか、
都市ガスではなくプロパンガスになって使い勝手はどうなるのかなど、移住前には細かい確認が必要で、思い描いた暮らしがそのまま実現するわけではないと理解しないといけない。

 そのうえで、移住した地域に受け入れてもらおうとする姿勢がいちばん重要です。とくに男性は苦手な人が多いのですが、周囲の住人に挨拶して回り、地域の行事や祭りには積極的に参加する。
草刈りなども“義務”としてとらえるのではなく、みんなと楽しくクラブ活動するくらいの気持ちが大切です。そうして地域住民に受け入れられて初めて、移住が成功したという話になる」(同前)

 そうした振る舞いに自信がない人は、一度立ち止まって考え直したい。

“地方移住すれば生活費が安くなる”という印象についても、ファイナンシャルプランナーの小谷晴美氏は「すべてのケースに当てはまるわけではない」と指摘する。

「生活費が安くなるかは、“地域による”というのが実情です。家賃や地元で獲れる生鮮品などは安いが、寒冷地域の古民家などを安く譲り受けたりすると、断熱性が劣ってかえって暖房代や修繕費がかかります。

 コンビニの値段設定は変わらないし、競争相手が多い都心のスーパーのほうが割引に熱心だったりします。場所によっては車が一家に1台ではなく一人に1台必要になるし、山間部だと平地と違ってガソリンを食うから燃料費も割高になります」

 安易にブームに乗る前に、慎重な計画が肝要だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9859f2f7d8eea8d29a120540df02e803b6adc81d