「処理水」海洋放出に向け、海底トンネル掘削開始…福島第一原発沖合1キロで

東京電力福島第一原子力発電所にたまり続ける「処理水」の海洋放出に向け、東電は5日、沖合約1キロ・メートルに整備する海底トンネルの放出口の掘削工事を始めた。掘り出した土砂は回収し、専用船に載せて同原発敷地内に運ぶ。

東電によると、工事はブイで囲まれた海域で実施。しゅんせつ船上のクレーンから金属製の「バケット」を沈めて、海底の岩盤を掘削する。
10メートル以上掘る予定で、工事は7月上旬まで続く。周辺の海水や土砂の放射性セシウム濃度を測定し、何らかの異常が確認された場合、直ちに停止する。

政府と東電は2023年春の放出開始を目指している。原子力規制委員会は海洋放出の実施計画に関する審査を終えており、早ければ5月中に審査書案をまとめる。夏頃に正式に計画を認可する見通しだ。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220505-OYT1T50114/