去る2日から屋外マスク着用義務が解除されたが、いざ通りでマスク脱いで通う人を探すことは容易ではない。
解除時期が近づくにつれ「新旧権力葛藤」という言葉まで出てきたことを考えればとどまる地境だ。
まだ初期の段階であるかもしれないが、人々が除夜の鐘のカウントダウンのようにマスクからの「解放」を切望するという合理的予測は見事に外れた。
「下着を脱いでいるようで」 有意言葉をよくするのを見ると、個人防衛次元の慎重さのためだけではないことが明らかだ。
「마기꾼」（マスク＋詐欺師）という新造語は、マスクの美学的役に立つことを示唆する。これを裏付ける研究結果もある。
昨年、米国ペンシルベニア大学・テンプル大学研究チームは顔写真３０枚にマスクをかぶらなかった時とかぶった時の人々の反応を比較した。
男女写真ともマスクをつけた時の魅力も評価が最高71％まで上がった。
同年、イギリスのカーディフ大学の研究チームはもう少し複雑な変数で実験した。
布マスクと医療用マスクを使ったとき、ノートパソコンで顔の半分を覆った時を比較した。
魅力度効果は医療用マスクが1位、布マスク2位だった。 ノートパソコンと素顔は違いがなかった。
もちろん、人々がさわやかなマスクを脱がせない最大の理由は、2年以上着用して習慣に近づいたためだ。
ただ、やや遠い話だとしても、その内面の深淵は映画「ショーシャンクの空に」で50年の服役の末に出獄したブルックスが自ら命を絶めるエピソードと根が同じだ。
ブルックスは突然提供された「自由」を余儀なくされて逃げた模様だった。
しかし、エーリヒ・プロムの「自由からの逃走」に代入してみると、彼は何の対策もなく自由に内動的になって無力に孤立したわけだ。
マスクを脱いで通りに立つと、摂氏20度の一気の空気でさわやかさと繊細さが同時に感じられる。
幸いなことに、マスクの時間はブルックスのショーシャンク50年よりはるかに短かった。最近、障害者の脱施設に対する攻撃は珍しくない。
<朝鮮日報>は脱施設障害者が褥瘡で死亡したという長文の記事を報道した。事例も極めて例外的であると、
その原因を非常に不足した公的支援ではない脱施設に回したのは、人権意識と感受性の貧困を表わすだけだ。
ブルックスをショーシャンクに戻し、私たちも永遠にマスクを脱いではいけないことがなければ。
https://www.hani.co.k★r/arti/opinion/column/1041556.html
