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私たちは親子、名字は違う 「もめる?かわいそう?実態を見て」

夫婦の名字を同じにするか別々にするか選べるようにする「選択的夫婦別姓」。法制度化への期待が当事者らの間で高まる一方、反対する保守政治家などからは、「子どもと片方の親が別の姓になるので、家族の一体感が失われる」といった意見が聞かれます。実際に親子別姓である当事者はどう思うのでしょうか?

 別姓を望んで25年前に夫(60)と「ペーパー離婚」をした行政書士の百瀬まなみさん(57)と、一人息子で会社員の松浦将也さん(26)に聞きました。

 ――将也さんが、お母さんと名字が違うと知ったのは、何歳のころでしたか?

【松浦】小4の時でしたね。母と自分の名字が違うのを知った同級生に、「母親と父親って、名字をそろえないと結婚できないんじゃないの?」というようなことを聞かれました。「え? そうなの?」と驚いて、帰ってから両親に「離婚してるの?」と聞きました。

【百瀬】夫と「そうだよ」と話して、別姓を望んで事実婚をしている理由も説明しました。聞かれたらいつでも答えようと思っていました。

【松浦】もっと早く言ってほしかったけどなぁ。当時テレビで「行列のできる法律相談所」を見ていたのもあって、離婚は仲が悪いからするものだというイメージを持っていたので、10分ぐらいショックでフリーズしました。「普通に結婚してると思ってたのに、うそだったじゃん!」と。

 でも10分後、実態ベースではうちはそもそも仲がいいんだから、悪いことは何もないと思って、気持ちはすぐに戻りました。

 母さんが野球チームでも保護者会でも、名字を名乗っていたからというのもあると思う。

【百瀬】たしかに、「松浦将也の母の百瀬です」とよく自己紹介してたからね。

 ――同級生などになにか言われたことは?