先日、オキニの大学生バーテンがいる行きつけのカジュアル・バーで、チェット・ベイカーを聴きながらダイキリを飲んでいたら、隣のカウンターでスクリュー・ドライバー(スクリュー・ドライバー!)を飲んでいた、清潔感のない一重の若い男性が私に話しかけてきたんです。
「飲めるクチですか?笑」
誰がバーに来てお酒を飲まないの?と言いたい気持ちを抑えつつ、オキニのバイトクンも彼に気を遣ってる様で、嫌々彼と会話を続けることにしました。
そんなこんなで彼にカティーサークのオン・ザ・ロックを奢って貰い気分が良くなっていたこともあり、彼の「静かな場所でゆっくり話そう」という、いかにもチー牛が言いそうな誘い文句を拒まず、ラブホテルに向かったのです。

部屋に入ると彼はすぐさま机の上に置いてある冊子を開きました。初対面でいきなりコスプレ頼む気?なんて思ってると、彼が見ているのはUSENのチャンネル表。何かを確認し終えた彼はベッド横のパネルを操作し出したかと思うと、突然ビル・エヴァンスが部屋に鳴り響いたんです。

(音楽で雰囲気づくり試みるとか高校生まででしょう……。しかもジャズって安直すぎない?アダルティだと思ってるのかしら)なんて思いながらも彼に「ジャズ好きなの?私もよく聴くわよ(笑)」と聞くと、彼はしどろもどろ。そう、彼はジャズが好きなわけでもなく、なんとなくカッコいいだろうという稚拙な理由でジャズを流したんです。

噴き出しそうになるのを堪えつつ、「そんな無理して私に気を遣わなくても、アニソンヒッツとか流していいわよ(笑)」なんて言ったら彼はバツが悪そうに「あっいや…… 折角ならあなたに選んでもらいたいな」と。なんて自主性のかけらもないような転嫁発言でしょう。ムカついたので、イズミヤの店内とかで流れてるJPOPのインストのやつを流してやりました(笑)
恋するフォーチューンクッキーのインストアレンジが流れる室内でエッチする経験は逆に貴重かもしれません(笑)


20数年自分磨きから逃げていたセンスのかけらもない弱者男性が、貧しい頭を使って場当たりでオシャレぶろうとしても、逆効果。女の子の眼は、誤魔化せませんよ(笑)

(29歳 女性 食品工場勤務)


Kurt Rosenwinkel(カート・ローゼンウィンケル)|現代ジャズ最重要ギタリストが見せる新たな世界、ソロ・ピアノ・アルバム『Plays Piano』登場
https://tower.jp/article/feature_item/2021/11/25/0106