「知床遊覧船」事故、強欲社長が「逮捕されない」可能性 元船長が明かす “重大な過失”

周囲に“逮捕はない”と語っているとの情報も
桂田精一社長

 北海道・知床沖で観光船「KAZU I(カズ・ワン)」が沈没した事故から2週間余り。海上保安庁は運航会社「知床遊覧船」の桂田精一社長(58)と、今なお行方不明の豊田徳幸船長(54)に対し、業務上過失致死容疑ですでに捜査に乗り出してはいる。だが数々の責任を負うべき社長の逮捕は、困難という見方が強い。

【写真6枚】桂田社長が従業員を解雇させる際、一方的に送りつけたLINE画面
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/05101132/?photo=2

「海保も遊んでいるわけではないんです。運航会社を家宅捜索していますし、社長にも事情聴取を始めている。
ただ、立件は簡単ではありません。特に問題となるのが、社長に事故を予見できたのかという点。そのことを立証する証拠を集めるのは容易ではないと見られます」

 と解説するのは社会部記者。こうした事情を社長本人も把握しているのか、

「自身が海上運送法の違反のみを問われ、書類送検にとどまることもあり得ると見ているのでしょうか、周囲に対して“逮捕はない”と語っているとの話も漏れ伝わってきます」(同)

 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士もこう語る。

「海で起きる海難事故は、車の衝突事故と違って痕跡が残りにくい。
たとえば船と船が衝突したとしても、どこでぶつかったのか位置を特定することすら困難で、陸の事故に比べ、そもそも捜査が難しいという事情があります」