■コカイン2キロ、本に隠し密輸 容疑の女逮捕、犯罪組織関与か 成田空港

本の内側にコカイン約2キロ(末端価格約4千万円)を隠し航空機で密輸したとして、東京税関成田支署と成田空港署は10日、麻薬取締法違反(営利目的輸入)などの疑いで東京都練馬区、会社役員、宮内春美容疑者(59)を現行犯逮捕したと発表した。地検は同日までに、同法違反などの罪で容疑者を起訴した。密輸量は約6万6千回分に相当し、空港署は国際的な麻薬犯罪組織が関与している可能性があるとみて調べている。

 同支署によると、被告は同空港に到着した際、ドバイへの渡航理由を観光目的と申告。新型コロナ禍で観光客が激減しているため、不審に思った税関職員が所持品を厳重にチェックし発覚した。

 海外渡航者の激減で同空港での密輸事件の摘発は減少しており、昨年に押収されたコカインは3件で計約1キロ。今回の押収量は昨年1年分を上回り、コロナ禍で最大という。

 起訴状などによると、被告は仲間と共謀の上、15日にアラブ首長国連邦からエチオピア経由で成田空港に到着した際、本2冊の表紙と裏表紙の内側に貼り付けて隠したコカイン計約2キロを密輸しようとしたとされる。

本は縦32センチ、横24センチで海外の児童向けとみられ、被告の黒いリュックサックの中から見つかった。被告は「ドバイのホテルに滞在中、黒人の女性から『日本へのおみやげ』としてリュックサックを渡された」と供述している。

 成田空港で摘発された不正薬物の密輸事件は、コロナ禍前の2019年は190件だったが、21年は25件に減少している。

https://www.chibanippo.co.jp/news/national/934710

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押収したコカインと、密輸に使った本やリュックサック(東京税関成田支署提供)