https://news.yahoo.co.jp/articles/6f26bf36cad0c96f3bed1d9e3e589bb208649a79

2021年10月、漁船からカツオを買い取る水産加工会社の元役員、焼津漁協の職員らがカツオを盗んだ疑いで逮捕された。
港から消えたカツオは、この漁協関係者らが盗んでいたというのだ。

その手口は、水揚げの際の「盲点」を突いたものだった。実はカツオ漁船には釣ったカツオが何トンなのかを計量する装置はついていない。
計量は、水揚げ後に漁協が港で行っている。船側は、その数値を信じるしかない。

ところがこの計量で、不正が行われていたのだ。

職員らはまず、水揚げされたカツオの中から、一定量を抜きとる。

そして漁協職員が部下に「これは計量しなくて良いから」と指示し、抜き取った分を計量せず、堂々とトラックに乗せて盗みを繰り返していた。

抜き取った後のカツオだけを計量し、船側に申告していたのだ。
これが、カツオが消える“カラクリ”だった。

(2021年11月29日 焼津漁協の会見)

焼津漁協 西川角次郎組合長:
多大なる心配とご迷惑を改めて深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

逮捕された窃盗グループの被害を受けた船会社の中には、分かっているだけで約150トン盗まれたと主張する会社もある。
また、他にも被害を受けた船会社は、複数あるとみられる。

職員の逮捕を受け漁協が聞き取り調査を行った結果、
同じような手口で10のグループが、少なくとも20年も前からカツオの抜き取りを繰り返していたことが分かった。

漁協が船会社を相手に開いた説明会は紛糾した。

(去年12月6日 焼津漁協の説明会やりとり) 

漁協:
慣行的な抜き取り行為ということで、数十年前から10年前ごろまで社員旅行や遊興費に充てるための抜き取りが行われていたいうこと。

船会社:
(不正した人は)警察に自首でもしてもらわないとさ!泥棒が泥棒を管理できるのかってみんな言っている。
そもそもなぜこういうことが起きたのか。不正に関わった人間が、どういう気持ちでやっていたのか。