欧州最大の音楽祭「ユーロビジョン」の決勝が14日、イタリア北部トリノで開かれ、ウクライナ代表のラップグループ「カルシ・オーケストラ」が優勝した。
ウクライナ勢では、2016年ストックホルム大会で、ロシアに併合された南部クリミア半島の先住民族タタール系の女性歌手ジャマラさんが1位に輝いて以来の快挙となる。
グループは、西部イワノフランコフスク州カルシで結成。民族音楽や子守歌をモチーフにした「ステファニア」をウクライナ語で歌った。優勝を決めると、メンバーは「欧州にありがとう」「ウクライナに栄光あれ」と喜びを語った。
ロシア代表は今年、ウクライナ侵攻によって出場が禁止された。ユーロビジョンはこれまで両国の対立の舞台となり、ウクライナは17年キーウ(キエフ)大会を開催した際、ロシア代表を入国させなかった。代表の女性歌手がロシア占領下のクリミア半島で演奏したことが理由だった。
歌謡祭は1956年に開始。欧州各国代表が参加する。4人組のABBA(スウェーデン代表)、カナダ出身の女性歌手セリーヌ・ディオンさん(スイス代表)は、ユーロビジョン優勝を契機に世界に羽ばたいた。(時事)
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