BK Yoo@bk_yoo
研究者だけでなく世界中のエリート行政官・政治家が読むランセットという医学雑誌に、日本が先進国から脱落しつつあることを示唆する論文が先月出ました。
私が作成したこの論文の解説資料を、所属する研究グループのホームページに5月9日に公表したので、ご高覧ください。

ある国の政府が公表している新型コロナウイルスによる死亡者数と、この論文の超過死亡者数の推定値の比率が1より大きければ、その国で過小報告の可能性あります。
この比率が大きい程、その国の報告数の信頼性が低い。この比率は、多くの先進国(韓国、台湾、豪州等)において2以下です。

残念というか驚くべきというか、この比率は日本で6・02です。すなわち日本政府が公表している新型コロナウイルスによる死亡者数よりも、6倍以上のコロナに因る超過死亡者数がいると推定されました。
この比率が5を超える国の多くは、世界的に見ても医療・公衆衛生体制が不十分な低所得国です。

このようなコロナに因る死亡者数の深刻な「過少報告」が示唆された理由として、コロナ診断の検査(通常はPCR検査)数が少ない故の過小診断の可能性を本論文は述べています。
コロナの初期から現在に至るまで、PCR検査数が日本では極端に少なく、過小診断の可能性があることは、既に指摘されてきました。
(中略)
上記のランセット論文(英文)へのリンクは以下。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8912932/
私が作成したこの論文の解説資料(PDF)へのリンクは以下。
https://www.ric.u-tokyo.ac.jp/topics/2020/ig-20220509.pdf