https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220509/k10013616541000.html

“電気料金抑え脱炭素にも貢献” 新サービスやシステムが登場

ウクライナ情勢の影響もあって電気料金は記録的に高い状況が続いていますが、出費を抑え、脱炭素にも貢献する新たなサービスやシステムが登場しています。

住友不動産と東京電力が提供するのは、戸建て住宅向けに太陽光パネルと蓄電池を貸し出すサービスです。

購入した場合、通常、設置には数百万円かかりますが初期費用は無料で、毎月一定額を支払う「サブスクリプション型」です。

居住者は太陽光による電気を利用できるほか、余った電気は電力会社に売ることもできます。

これによって、標準的な家庭でリース代を支払っても毎月の電気料金を1500円程度抑えられるということです。

先月からはリフォーム住宅向けにも事業を拡大しました。

住友不動産の鈴木俊哉広報課長は「二酸化炭素の排出削減につながるので脱炭素の政府目標にも貢献できる」と話していました。

一方、企業向けに空調サービスを展開する「エレトク」は、冷房と送風を自動できめ細かく調節することで電気料金を抑えるシステムを提供しています。

導入しているさいたま市の食品を扱う倉庫では、ことし3月は電気料金を平年と比べて1割余り削減できたということです。

「エレトク」の林治営業統括本部長は「手軽に導入できるうえに電気料金を抑えられ、企業のニーズに対応できる」と話していました。

利用者の声は
戸建て住宅向けに太陽光パネルと蓄電池を貸し出すサービスを先月末から利用しているさいたま市の石井健太さん(30)さんは、月額1万1500円を支払い、天気がいい日には太陽光で発電した電気を自宅で使い、日ざしが出ていない時には蓄電池に電気をためて使用しています。
また、余った電力は電力会社に売ることもできます。

サービスを利用している石井さんは「サブスク感覚で太陽光パネルを設置することできるうえ、固定費である電気代を抑えたいと思って設置した。蓄電池は災害で停電したときでも使えるので安心できる」と話していました。

一方、さいたま市の物流倉庫はことし2月、空調の消費電力を抑えるため、新たなシステムを導入しました。

この会社の食品を扱う倉庫では、冷蔵室や冷凍室を24時間稼働させるため毎月の電気代は1000万円を超えていますが、装置の導入で先月は平年と比べて1割余り抑えられたということです。

さらに二酸化炭素の排出量の削減データが毎月示されるため、脱炭素への取り組みとしても有効だとして、ほかの倉庫での導入も検討しているということです。

南日本運輸倉庫の大園圭一郎社長は「電気代の高騰は大きなダメージでコストを抑える工夫を積み重ねていきたい」と話していました。