岸田文雄首相は14日、沖縄復帰50年に合わせ、沖縄県を訪問し、2019年に焼失した首里城(同県那覇市)の正殿の復元工事を11月に着工することを明らかにした。
首相の沖縄訪問は就任後初めて。15日には同県宜野湾市で開かれる「沖縄復帰50周年記念式典」に出席する。
首相は首里城公園を視察し、復元に携わる伝統工業関係者や観光業者らとの「車座懇談会」で意見交換した。
その後、記者団に「首里城は沖縄県民にとってアイデンティティーの拠点、誇りであり、国民的な歴史文化資産だ」と述べ、正殿復元の起工式を11月3日に行うと表明した。
復元の過程を示すため、年内をめどに、近くの木材倉庫の壁面に正殿復元図を描くという。政府は26年に正殿を再建する予定だ。
首相はこれに先立ち、糸満市の平和祈念公園を訪れ、国立沖縄戦没者墓苑などで献花し、沖縄戦の犠牲者の名前が刻まれた「平和の礎(いしじ)」を視察した。
首相はまた、沖縄県議会議員団と那覇市内で懇談し、県内の米軍専用施設の大幅な整理・縮小や日米地位協定の抜本的改定などを求める意見書を受け取った。
自民党県連幹部とも面会し、首相は「今年は選挙イヤーだ。まずは参院選に勝ち、知事選へ勢いをつけよう」と述べた。
https://mainichi.jp/articles/20220514/k00/00m/040/196000c