https://news.yahoo.co.jp/articles/2ee1f266b14df59f2de0524452ac937525ff2715
知床・観光船の沈没事故から3週間余り。観光船の乗客が、最後に残した動画が見つかりました。
わずか3秒の短い動画。事故当日「KAZU I」の乗客が港を出た直後に、携帯電話で撮影したものです。
この動画と一緒に届いた「行ってきます」というメッセージを最後に、連絡が取れなくなりました。
午前10時に斜里町のウトロ漁港を出航した「KAZU I」。
当時、ウトロの波の高さは32cmと、波も穏やかだったことが分かります。
今回の動画を切り出し横一列に並べてみると、ウトロ港にある赤い灯台やオロンコ岩、ホテル群が映っていました。
Googleのストリートビューで見ることができる船の航路と照らし合わせてみると、ちょうどこの辺りで撮影されたことが分かりました。
この動画が撮影されたおよそ10分後、ウトロ漁港から3km余り離れた通称「男の涙」と呼ばれる滝の近くでも
「KAZU I」とみられる船が目撃されていました。
ネイチャーガイド・綾野雄次さん:「外にはライフジャケットを着けた人が3人見えました。すごく寒い日だったので横には出ずに、
一番後ろの風が当たらないところだけ外に出ている人がいたんじゃないかなと思います」。
ネイチャーガイドの男性が話す通り、動画の撮影者を含む乗客3人が救命胴衣を着て船の外にいたことが分かります。
また今回の動画には、階段の手すりのような物も映りこんでいます。過去に撮影された「KAZU I」の写真と比較すると、
船の後方にあるデッキのこの辺りに座っていたとみられます。
出航当時は波も穏やかだった知床沖。しかし、その後の波の高さを見ると、
出航から2時間後の正午すぎあたりから一気に波が高くなり、「KAZU I」から通報があった頃には3mを超えていました。
動画が撮影された後、観光船に一体何が起きたのか。行方不明者の捜索は今も続いています。