新型コロナウイルスワクチンの若年層への3回目接種率が伸び悩む中、小田原市は有効期限が過ぎた米モデルナ製ワクチンの廃棄を始めた。大規模接種などでモデルナ製を扱う川崎市でも、6月に期限を迎えるワクチンが約2万7000人分あり「大量廃棄は避けられない」との見通しを示す。
 小田原市によると、5月15日と23日に期限が切れる分で、廃棄は計1万3305人分に上る見通し。国から支給されるワクチンは米ファイザー製45%、モデルナ製55%の割合で、3回目接種では「1、2回目で副反応が強かった」という人がモデルナ製を敬遠。今回廃棄されるワクチンを国から支給されたのは2月で、有効期限までに接種が追いつかなかった。

 川崎市でも6月10日にモデルナ製の約2万7000人分が期限を迎える。市新型コロナウイルスワクチン調整室の芦川了一担当課長は「今後、集団接種や大規模接種の予約が伸びなければ、川崎でも大量廃棄せざるを得ない」と危機感を示す。
 同市では集団接種と大規模接種で主にモデルナ製が使われ、医療機関での個別接種はファイザー製を使用。3回目は協力医療機関が多く個別接種が受けやすかったことで、集団接種や大規模接種の予約が伸び悩んだ。モデルナ製を敬遠する動きも影響したとみる。
 早ければ5月末にも4回目接種が始まり、3回目用のモデルナ製を4回目として使用することも可能だが、市が6月上旬までに4回目の接種券を発送する対象者は数千人にとどまることから、大量廃棄は避けられないとした。

 また横浜市も、5月28日と6月10日に期限が切れるモデルナ製ワクチンが、5月16日時点で計約5万4200人分あると明らかにした。担当者は「すべて使い切るのは難しい」としている。 (西岡聖雄、北條香子、神谷円香)

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