海外は「賃上げラッシュ」なのに、なぜ“安いニッポン”は我が道を行くのか

 世界的な「値上げラッシュ」を受けて、さまざまな国で「賃上げラッシュ」が起きている。

 米国のロサンゼルスでは、物価上昇を受けて7月1日から、最低賃金がこれまでの時給15ドルから16.04ドル(約2000円)へと引き上げされる。
これは中小零細だからと免除されるようなものではなく、全ての事業所が対象だ。また、米小売り大手ウォルマートは商品を配送する長距離トラック運転手の
賃金を一気に25%と大幅に引き上げ、入社1年目の新人でも最大11万ドル(約1400万円)の年収を得られるようにした。

 法定最低賃金に物価スライド制が採用されているフランスでも、5月1日から最低賃金が10.85ユーロ(約1455円)にアップする。
「2021年5月からの1年間で5.9%、額面で月当たり91ユーロ(約12万円)引き上げられることになる」(ジェトロビジネス短信 4月20日)という。

 しかし、そんな「賃上げラッシュ」という世界的潮流に背を向けて、わが道をいくようなユニークな国もある。
その筆頭が、われらが「安いニッポン」だ。

 ご存じのように、日本は他の先進国と比べると、賃金が安い。この30年さまざまな国が賃上げを続けた中で、日本だけはビタッと低賃金が固定化され、
昨年にはついに韓国にまで平均給与や1人当たりの労働生産性で抜かれてしまう有様だ。

 そんな「異次元の低賃金」が続く日本なので当然、この世界的な物価上昇にも「異次元の対応」をしている。

https://www.itmedia.co.jp/business/spv/2205/17/news053_2.html