【給付金誤振込み事件】電子計算機使用詐欺罪の適用は疑問だ
園田寿甲南大学名誉教授、弁護士

本罪の場合は、事務処理に使われているコンピュータに、
(1)虚偽のデータを入力して、
(2)財産権の移動などを記録しているファイル(データベース)を変更して虚偽のものを不正に作成し、
(3)コンピュータによる自動処理によって不正な財産的利益を得たような場合に成立します。

■本件では「虚偽の情報」が入力されたのか

本件のネットバンキングが、銀行の「事務処理に使用する電子計算機」であること、
またそこで変更になった銀行の元帳ファイルが「財産権の得喪若しくは変更に係る電磁的記録」
であることについては問題ありません。

議論になるのは、容疑者が、電子計算機に「虚偽の情報」を与えて「不実の」電磁的記録(元帳ファイル)を
作成したのかどうかという点です。
https://news.yahoo.co.jp/byline/sonodahisashi/20220519-00296676