ネコに潜む寄生虫が男性の精神障害に関連しているという研究結果
ネコに寄生するトキソプラズマという寄生虫は、人間に感染するとトキソプラズマ症を引き起こすことが知られているほか、
「ネズミや人間の性格や行動を変えてしまう」ことも指摘されています。
そんなトキソプラズマが、「男性の精神障害」に関連しているとの研究結果が報告されました。
以前からネコを飼うことと精神障害の関連性を指摘する声は上がっており、1995年の研究では
「子どもの頃にネコを飼っていた人は成人になってから精神障害になるリスクが高い」との結果が示されました。
ネコが精神障害のリスクと関連する理由については、ふん便などを介してネコから人間へ感染するトキソプラズマが原因ではないかという研究もありますが、
他の研究ではうまく関連性が示されないことも多かったとのこと。
研究チームはカナダのモントリオールに住む約2200人の被験者を募集し、精神障害にかかった経験があるかどうかを尋ねました。
さらに、小児期にネコを飼っていたかどうか、ネコがネズミを狩っていたかどうかといった項目に加え、子どもの頃の引っ越し、
頭部の外傷、喫煙歴といったデータまで収集し、結果を分析しました。
その結果、子どもの頃にネズミを狩るネコを飼っていた男性の被験者では、成人になってから精神障害を経験するリスクが高いことが判明しました。
一方で、幼少期にネコを飼っていなかったりネコが室内飼いだったり、あるいは被験者が女性だったりした場合は、
成人期に精神障害になるリスクの増加はみられませんでした。
研究チームは、「この結果は、トキソプラズマのライフサイクルに基づいてネコの飼育と精神障害の関連性のメカニズムを説明できるという私たちの仮説と一致します」と述べています。
https://gigazine.net/news/20220426-cat-parasite-link-psychotic-episodes/