リンゴ、ミカン結果樹面積が過去最少に 21年産、高齢化で供給不足に
農水省は2021年産のリンゴとミカンの結果樹面積や出荷量を公表した。高齢化や担い手不足で面積はともに過去最少を更新。特にリンゴは凍霜害などで出荷量が前年比13%減と大きく落ち込んだ。国産果実のニーズは高く、需要に供給が追い付いていない状況だ。同省は省力化技術の推進で増産体制の構築と生産者所得の維持を両立させ、果実の生産基盤を維持したいとする。
21年産リンゴの出荷量は59万9500トンと統計のある1973年以降、過去最も少なかった11年産(58万2000トン)に次ぐ水準。面積が前年から1%減と減少が続いていることに加え、雪害による枝折れや凍霜害が影響した。20年前比では面積が2割減、出荷量は3割減っている。
ミカンの出荷量は67万6900トン、結果樹面積は3万7000ヘクタールでいずれも前年比2%減。20年前からは面積が3割、出荷量は4割減っている。
リンゴ、ミカンともに不足感が常態化し、農水省は「需要に対し供給が十分でない状態」(果樹・茶グループ)との認識を示す。生産減を受け、この10年間でミカン・リンゴの卸売価格は1~3割上昇している。
担い手不足が深刻化しており、農水省は省力樹形や機械化などを推進。品薄高の長期化は消費離れにつながるとの課題意識もあり、果実出荷の安定化を目指す。省力化による人件費などの圧縮で農家所得の維持も図る。
輸入果実の輸送停滞やコスト増、円安の影響による価格上昇も進んでおり、国産の安定供給が一層求められている。
日本園芸農業協同組合連合会は「生産量が少なくなっている中で、高品質品を安定出荷することで、農家の再生産価格を維持していきたい」とする。
https://news.yahoo.co.jp/articles/73e517eed6960c06eb415b16540709a9c7915220