ロシアのウクライナ侵攻から3カ月が近づくが、膠着(こうちゃく)状態が続く戦況にプーチン大統領は怒りを隠せないのか。英国防省は19日の戦況分析で、ロシア軍が最近、複数の上級指揮官を更迭していると指摘した。将校らは失敗の責任回避に躍起となり、露軍内部で「隠蔽と責任転嫁の文化が蔓延(まんえん)しているようだ」との見方を示した。

【表でみる】ロシア・ウクライナが失った兵器の数

英国防省の分析によると、東部ハリコフの掌握失敗を理由に戦車部隊を指揮した中将が更迭されたほか、黒海艦隊を指揮した中将も旗艦モスクワの4月の沈没後に解任されたとみられる。

プーチン氏は東部ドンバスなど露軍部隊の移動指示に直接関与したとされ、懲罰人事にも意向が反映されたと考えるのが自然だ。

分析では、制服組トップのゲラシモフ参謀総長は留任のもようだが、プーチン氏の信任を得られているのか「はっきりしない」としている。

英国防省は「将校らが重要な決定を上官に委ねようとする傾向が強まる」とし、「露軍が主導権を取り戻すのは困難だろう」と予測した。

経済では「脱ロシア」が広がる。16日に仏ルノーと、米マクドナルドが撤退を発表したが、ロシアに進出する日本の上場企業168社のうち、42%に当たる71社が事業の停止や撤退を決めたことが帝国データバンクの調べで分かった。4月時点の60社から11社増えた。

製品の出荷や受注を含む「取引停止」が2社増の33社、現地工場などの「生産停止」が3社増の14社、店舗などの「営業停止」が1社増の10社、撤退は3社で変わらず、その他が11社だった。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d31d720b21082c99492453e8274ae92c70098d4f