今回の戦争の最大の教訓は、分離紛争(この場合はドンバス紛争)を放っておいてはならないということです。2008年の第2次南オセチア戦争、2020年の第2次カラバフ戦争、そして今回の戦争のように、分離紛争を放っておくと、その数倍の犠牲者を生む戦争が必ず起きます。現在の国際システムでは、協議離婚的な方法だけがあって、それが難しい場合に調停離婚に該当するシステムがないのですが、ここが問題です。調停離婚に該当する国際司法システムを作り、しかもゴネ得している国(期限を切って紛争を解決しようとしない国)を罰するような制度も導入すべきと思います。

現在、ロシアのウクライナ侵略に対して、ロシアを厳しく糾弾する欧米、日本と、そうでない中国、インド、中東諸国などに国際社会は分裂しており、その両グループの間で外交的なせめぎあいが展開されています。しかし、ここはせめぎあいではなく、なぜそのような違いが生まれるのか、両グループ間で腰を据えて話し合えば、今後の国際秩序についてのヒントが得られるのではないでしょうか。