米企業、浜通り進出意欲 スキンケア、ロボットなど4分野拠点化
2022年05月24日 08時15分

 米ベンチャー・ニューロシンテック社が本県浜通りで複数のプロジェクトを展開し、生産拠点を設ける計画を進めている。同社は米シリコンバレーでハイテク技術のプロジェクト開発から育成、事業化に至るまでの実績を積み重ねており、本県では福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想などと連動し、ロボットなど4分野での進出を目指している。

 同社のエグゼクティブチェアマンのビクター・ボクシャ氏は、2カ月にわたりJヴィレッジを拠点にニーズ調査を実施しており、23日までに福島民友新聞社の取材に応じた。ボクシャ氏は「福島には四つのスタートアップ(起業)を持ってくる。一つ目はスキンケア商品の開発で、今夏には米国でサンプルが完成する。これを1~2年でメード・イン・フクシマの大きなビジネスにしたい」と語った。

 このほかの事業は、人とコミュニケーションできる「コンパニオンロボット」の開発、米大学と研究中とされるがん治療、人工知能(AI)や量子コンピューターなどの次世代コンピューティングとなっている。

 ボクシャ氏は「半導体事業を中心に日本の企業とは30年来取引しており、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故が深刻な被害を与えたことに衝撃を受けた。自分の経験や知識を福島の復興に生かしたい」と事業への意気込みを語った。同社は今後、日本国内でのビジネスパートナーを探し、本格的な事業展開を始めたい考えだ。

 「世界が注目する福島に」

 米ベンチャー・ニューロシンテック社が本県浜通りで複数のプロジェクトを展開し、生産拠点を設ける計画を進めている。同社は米シリコンバレーでハイテク技術のプロジェクト開発から育成、事業化に至るまでの実績を積み重ねており、本県では福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想などと連動し、ロボットなど4分野での進出を目指している。

 ニューロシンテック社のビクター・ボクシャ氏に本県進出の理由などを聞いた。

 ―進出先を本県にした理由について聞きたい。
 「私はチェルノブイリ原発事故の経験者だ。投資家から『チームを組んでチェルノブイリの経験を日本に持って行ってくれ』と依頼されたこともあり、福島の復興を後押ししたいと考えた」


※略※

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