【キーウ発】日本人義勇兵 「自由と独立を守るためには武器を取って戦わなければならない」

開戦から66日目、5月2日。

 義勇兵の活躍は武器供与と共に今回の戦争の帰趨を左右するとまで言われる。大国ロシアを相手に互角以上の戦いを繰り広げるウクライナの戦線に志願した日本人青年にキーウの基地で話を聞いた。

 有本真澄氏(仮名30代)。経歴を偽って志願するミリオタの日本人もいるが、氏は正真正銘の元自衛官だ。自衛隊には4年間在籍した。所属していた部隊などはここでは伏せる。

 有本氏は4月某日、義勇兵(志願兵)によって構成されるミトロコロチンスキー・ブラザーフッド大隊に入隊した。

 現在はウクライナ政府軍兵士ではない。あくまでもvoluntary soldierだ。無給である。

 身元調査などを経て問題がなければウクライナ軍兵士となる。

志願の動機は―

 「(旧ソ連が日ソ不可侵条約を一方的に破って満洲に侵攻してきた)1945年と同じことがまた起きたと思った」

 「かつて交際していた女性の祖父は満洲で終戦となったためシベリアに抑留された」。

 57万5千人の日本軍将兵・満蒙開拓団員などがシベリアに連行され、強制労働に従事させられた。5万5千人が病気や衰弱などで死亡した(厚生省調べ)。

 「ロシアはウクライナに対しても当時と同じようなことをした」

 「自由と独立を守るためには武器を取って戦わなければならないことを日本人は認識していない」 

 「私戦予備罪を押してでも行く価値があると思い志願した」

  私戦予備罪は、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の禁錮に処する、とする。

兵士の消耗が激しいドンバスの前線に送られたらどうするか―

 「ひるまない。そのつもり(死ぬ覚悟)がなければ志願したりしない」。

https://tanakaryusaku.jp/2022/05/00027096