先月8日、田口容疑者の銀行口座に阿武町から誤って4630万円が振り込まれました。田口容疑者は、そのうち決済代行業者・A社、L社、M社に合計約4292万円を出金したといいます(A社3592万4691円 L社300万円 M社400万円)。

阿武町は田口容疑者が税金を滞納しているとして、国税徴収法などにより、決済代行業者や銀行に対し差し押さえや取り立て処分を行いました。

阿武町の弁護士によると、この課程で決済代行業者が阿武町に、「お金を払いたい」と電話していたといいます。そして今月20日に、田口容疑者の銀行口座に残っていた金額と、決済代行業者3社に出金された金額の合計、約4300万円が阿武町に戻ってきました。

ところが、決済代行業者3社の口座に残っていたのは、合わせて600万円ほどだったというのです。阿武町に戻ってきたお金は誰のものなのか、元大阪地検検事の亀井正貴弁護士に話を聞きました。

元大阪地検検事 亀井正貴弁護士
「600万円が田口容疑者から預かったお金の残りで、これが全部だとしたら、3600万円(あまり)を業者が立て替えて支払った可能性がありますよ。
この事件が終わらずに、警察の捜査がさらに深く食い込んでくると、町が行政の取り立て訴訟を起こす可能性もありますから、そうするとその裁判過程の中で代行業者がどのような業務をしているのか、
探られてしまうという懸念があるので、トータルでそこを避けたかったという可能性もあると思います」

「決済代行業者は業務に支障が出ると考え、肩代わりしたのではないか」と亀井弁護士は指摘します。

警察は、「不法の利益を得た、という事実はお金が戻ったからといって変わらず、事件については捜査を継続させていく」としています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f38d6a85377e0762ff69cc872891dd1404295748