カンヌ映画祭 早川千絵監督「PLAN 75」が特別表彰

2022年5月29日 10時44分 エンタメ

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世界3大映画祭の1つ、フランスのカンヌ映画祭で、少子高齢化が進んだ近未来の日本を舞台にした早川千絵監督の作品「PLAN 75」が新人監督賞の審査員から特別表彰を受けました。

カンヌ映画祭は最終日の28日、各賞の発表が行われ、日本の早川千絵監督の作品「PLAN 75」が新人監督賞を選ぶ審査員から特別表彰を受けました。

「PLAN 75」は、少子高齢化が進み、75歳を過ぎた人がみずから生死を選べる制度が導入された、近未来の日本を舞台にした作品です。

「男はつらいよ」シリーズなどで知られる倍賞千恵子さんが、夫に先立たれたうえ勤務先にも解雇され、制度を利用するかどうか悩む78歳の女性を演じ、生きることの意味を問いかけます。

作品は斬新な作品を集めた「ある視点」部門にノミネートされ、今月20日の公式上映後には観客から大きな拍手が送られていました。

観客の1人は「難しいテーマに取り組み、勇気があると思った。すばらしい映画だった」と話し、世界の映画ジャーナリストからも高い評価を受けていました。

早川監督「生きていること自体が尊いと伝えたかった」 

特別表彰のあとNHKのインタビューに応じた早川監督は「皆さんがすごく期待してくれ、チームもとても喜んでくれているので、賞を頂けてうれしくてほっとしています」と喜びを語りました。

そのうえで「社会的に弱い立場にいる人に差別的な発言があったり、自己責任という言葉が幅をきかせたりして、なかなか人に助けを求められない社会になっている実感があるので、生きている価値とか意味ではなく、生きていること自体が尊いということを伝えたかった」と映画に込めた思いを語りました。

そして今後については「映画を通して誰かを思ったりとか、自分自身のことを考えたりとか、人の心の深いところに響く作品を作っていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220529/k10013648021000.html