https://news.goo.ne.jp/article/dailysports/sports/20220529162.html

 28日・阪神戦(ゾゾ)の試合前だった。
練習を終えて、グラブを手にしたまま外野を後にする佐々木朗の姿に、“異変”を感じた。
ノックでも受けるのかと思ったが、そのままベンチ裏へ姿を消し、再びグラウンドに現れることはなかった。

 プロ1年目の春季キャンプから“用具係”のようにキャリー型のクーラーボックスを引っ張って移動していた。
3年目の今シーズンも、その“ルーティン”は守られていた。

 4月10日のオリックス戦(ゾゾ)で完全試合を達成。その後も勝ち星を重ね、ハーラートップタイの5勝をマークしている。
クーラーボックスを引っ張って歩く姿に、違和感を抱き始めていたのは私だけではなかっただろう。
外野から練習用のグラブのみの軽装で引き揚げる姿に「ついに卒業か!」と、思わず口をついて出た。

 今シーズンの飛躍は、球団の育成方針が背景にあることを忘れてはならないが、クーラーボックスを引っ張る
“用具係”は卒業してもいい頃だろう。チームを引っ張る投手へと成長していることに、疑いの余地はない。