地球を離れて45年「ボイジャー1号」地球へ届くデータに"異常"で注目 原因はわからず

1977年に打ち上げられた惑星探査機ボイジャー1号とボイジャー2号は、実に40年以上宇宙を旅し続けている宇宙船だ。
この2機はこれまで打ち上げられたどの人工物よりも地球から遠く離れたところにいるだけでなく、今も現役で稼働し続けている探査機でもある。

 なお、ボイジャー1号は2012年8月25日に太陽系を脱しており、現在も太陽との相対速度・秒速約17.027キロで宇宙空間を飛行中だ。
原子力電池の出力低下に伴い、少しずつ観測装置の電源を切って稼働を続けており、完全に停止するのは2025年頃とみられている。

 しかし今、ボイジャー1号の姿勢制御システム(AACS)から得られるデータに異常が生じており、ボイジャーの船内で起こっていることがデータに反映されていないという謎が出てきて科学者らが注目している。

 現在もボイジャー1号はコマンドを正常に受信・実行し、アンテナも依然として地球の方向に向いているなど、探査機は正常に機能しているように見える。
しかし、実際のテレメトリデータはランダムに生成されたか、AACSが無効になっている状態を反映しているような内容になっており、果たしてどちらが正しいのか分からない状態になっているというのだ。

 もしボイジャーに何らかの問題や故障が発生した場合、搭載されている故障防止システムが作動することになっている。
しかし、前述のシステムが作動した様子が見られないため、異常なデータが生じた正確な原因はNASAのエンジニアでも解明できていない謎となっている。
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