幸福実現党NEWS vol.140 令和4年(2022年)
https://info.hr-party.jp/files/2022/03/12122308/qilrnvyf.pdf

家族のつながりを弱める?「夫婦別姓」の問題

「男女平等」に関する議論として、結婚後の夫婦が結婚前の姓を名乗る「夫婦別姓」の問題があります。最高裁は、2021年6月、夫婦同姓を定めた民法に対して2015年以来二度目の合憲判断を下しました。改姓に伴う複雑な手続き等に否定的な意見がある一方で、別姓となれば家族の結束を弱め、離婚が増えることも懸念されます。その結果、母子家庭が増加するなど家族がバラバラになれば、そうした人々を保護するために社会保障費がますます増大していきかねません。

LGBTQの安易な権利拡大に歯止めを

憲法十四条では「国民は平等である」と定められていますが、人間の平等とは「神仏の子としての平等」です。幸福実現党は、宗教政党として、LGBTQへの行き過ぎた配慮や同性婚の法制化は神仏が男女の性を分けられた本来の趣旨から外れてしまうと考えています。

「結婚」の意味を考える

結婚という制度が社会的に認められ、法的な保護が与えられている背景には、「結婚」には社会的な意味があるとする考えがあります。ドイツの哲学者ヘーゲルは『法の哲学』において、「家族とは、普遍的で永続的な人格」であるとし、家族を形成することで、それまで欲望やエゴイズムに基づく個人の資産が、配慮を必要とする共同財産となり、倫理的なものに変わるという趣旨を述べています。気の合う同性が同居したり、財産を譲ることは良いとしても、「同性婚」を認め、「自由には責任が伴う」ことが忘れられると、家庭制度が崩壊に向かい、公共心や倫理が乱れ、子孫の減少で国力が弱まりかねません。

家族で助け合う社会を

家族は病気や失業などのときに助け合う一つのまとまりでもあります。しかし、誤った男女平等の考えは家族の絆を弱め、「相互扶助の精神」を損ないます。その結果、国家が人々の面倒を見ることになれば、多額の税金や公的保険料が必要となり国民の自由も失われていきます。その意味で、家族の結束を弱めかねない夫婦別姓は望ましくありません。また相続税や贈与税、遺産をめぐる遺留分制度も、家族の結びつきを弱める面があるため、見直しが必要です。

神仏の目から見た男女の意味

「男女平等」や「多様化」といった問題に対しては、人間の魂の真実という観点から考える必要があります。私たちは「魂修行」の観点から自ら性別を選んで生まれてきます。神仏は男女が分かれて魂修行をすることで、豊かさと繁栄が実現されることを願われています。その意味で、男女の区別をなくす平等ではなく、「神仏の子としての平等」を考えることが大切です。男女の意味をないがしろにすることは人間の堕落につながり、神の意に反することが『旧約聖書』のなかにも描かれています(右図)。

『旧約聖書』には、倫理的に退廃したソドムとゴモラという都市が登場する。同性愛を含め、性的な乱れがはびこり、神の怒りに触れて滅ぼされたとされる。