化学工場攻撃「狂気の沙汰」 ウクライナ大統領
【AFP＝時事】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー（Volodymyr Zelensky）大統領は5月31日、東部の要衝セベロドネツク（Severodonetsk）の完全制圧を目指すロシア軍が化学工場を攻撃したことについて「狂気の沙汰」だと非難した。
セベロドネツクは、ルガンスク（Lugansk）州全体の掌握を狙うロシア軍にとって、進路上に位置する産業集積地の一つ。ロシア軍が首都キーウ制圧に失敗して以降、激しい攻撃にさらされている。
ルガンスク州当局は5月31日、ロシア軍がセベロドネツクの大半を制圧し、化学工場の硝酸入りタンクを攻撃したことを明らかにした。
ゼレンスキー氏はビデオ演説で「大規模な化学工場があることを考えると、ロシア軍のセベロドネツクに対する無差別爆撃をはじめとする攻撃は狂気の沙汰としか言いようがない」と非難。「戦争はしかし、97日目に入った。ロシア軍やその将兵がいかなる狂気でも無条件に受け入れてしまうことに、もはや驚きはない」とも語った。
欧州連合（EU）は依然、ロシア産天然ガスの禁輸をめぐり意見が割れているが、石油輸入を3分の2以上禁止することでは合意。ゼレンスキー氏はこれを受け、「テロ国家」ロシアに対するこれまでの制裁措置に謝意を表明した。
「欧州諸国がロシア産石油などの化石燃料を断念すれば、再生可能エネルギーへの移行が加速すると理解することも重要だ」と指摘。さらに「（エネルギーの脱ロシア依存は）戦略上、ロシアを現代の経済の主流から外すことにつながる。そうした積極策や文明世界からの孤立化により、ロシアは適応していけなくなるだろう」と述べた。
https://news.livedoor.com/lite/article_detail/22262961/
