宇多田ヒカル 「精神分析」通いを告白…“母の呪縛”と向き合った9年間の苦悩

《通い始めの頃は仕事をしていない時期だったし、ちゃんとやりたかったので週5で1回20~30分》
《産後は何ヵ月か休んで、今は週3で通っています》『VOGUE JAPAN』7月号でこう語ったのは
宇多田ヒカル(39)。宇多田は9年近く精神分析を受け続けているというのだ。

「宇多田さんは’10年から’16年4月まで『人間活動』と称して活動休止していました。20代後半から
自分を見つめ直す時間をなによりも大事にしていたのだと思います」(音楽関係者)

前出の『VOGUE JAPAN』で《精神分析を長くやることによって、セルフセラピーの意味合いが
顕著にでてくるようになった》と語っているが、どんな効果があるのだろうか。

東京精神分析クリニックの精神分析家・小笠原晋也氏は「精神分析は心理カウンセリングと
混同されやすいが、別のもの」と言い、こう続ける。「カウンセリングは“現在の悩み”を尋ねますが、
精神分析は無意識の領域を扱います。

その場で頭に浮かんできたことを何でも話してもらいます。フロイトが使った用語で自由連想といいます。
それに分析家が解釈を添えます」そうしてその人の苦悩の核心に迫るというのだ。

実は宇多田が精神分析にのめり込む背景に、’13年8月に急死した母・藤圭子さん(享年62)が強く影響していた――。
「生前の藤さんは長らく、精神の病いに苦しんでいました。感情や行動のコントロールが利かなかったこともあり、
ヒカルさんは幼少期から悩んでいたといいます」(前出・音楽関係者)

一時期は連絡が途絶えていた藤さんから、急に連絡が来る機会が増えたのは10年前ごろだったという。
自身のカウンセリングの必要性を感じた宇多田だが、受けに行ったカウンセリング当日に藤さんは急逝。
そのカウンセリングに違和感を抱いていたこともあり、宇多田は読み始めた心理学の本を契機に、
精神分析に多大なる興味を持つようになったという。

「精神分析を受ける女性は、母親との関係に悩んでいる方が非常に多いんです。精神的に母親からの
支配を受けていて自由になれないというケースをよく目にしますね。そして、このコントロールは母親が
亡くなっても続くのです。宇多田さんも藤さんとの関係を“いかに清算していくか”ということが、
治療の焦点になっていたんだろうと思います」

宇多田は『VOGUE JAPAN』で“誰の期待を裏切ることが一番ハードだったか”という質問にこう答えている。
《私に歌を歌ったり、ミュージシャンになったりしてほしいと思っていた母親の期待ですかね》
《今になって振り返ると、母は私に音楽をやってほしかったんだなって感じます。
彼女のことを理解できる人間になってほしかったんだと思います》

■「あらゆる現象に母が見えてしまった時期があった」
「宇多田さんは’16年9月の音楽番組で『あらゆる現象に母が見えてしまった時期があった』と話していました。
しかし、『自分の原点は母なんだから当たり前』と少しずつ心を整理できるようになっていったそうです。
その結果、藤さんへの思いを歌った作品『Fantome』を発表。

さらに昨年6月にはインスタグラムで『母の写真がやっと飾れるようになった。私の中で母との関係が
変わった』と話していました」(前出・音楽関係者)

『VOGUE JAPAN』で、《母親になることもすごく怖かったし、私は親になるべきじゃないってずっと
思っていました》と回想していた宇多田だが、安定した精神状態でいま、仕事や育児に
打ち込めているのは9年間の精神分析の効果でしょう」
https://news.livedoor.com/article/detail/22294117/