厚労相「他意ない」 ワクチン接種歴、入力なしを「未接種」に計上
枝松佑樹2022年6月7日 11時58分 

 厚生労働省が新型コロナウイルスの新規感染者について集計する際、本来は「ワクチン接種歴不明」の人を「未接種」として計上していた問題について、後藤茂之厚労相は7日の閣議後会見で、「特に問題があったとは考えておりません」と述べた。

 厚労省は、感染者情報システム「ハーシス」上で接種歴の入力がなかった人について、「接種済み」である可能性があるにもかかわらず、4月4~10日分の集計まで「未接種」に計上。「未接種」の新規感染者数を実態より多く集計し、公表していた。

 このデータをもとに、政府がワクチンの効果を主張したこともあった。

 後藤氏は、未入力の人を「未接種」に計上していた理由について、「当初、ワクチン接種者が非常に少なく、医療機関や保健所などの(ハーシスへの)入力負担を軽減する観点から」だったと説明した。

 昨年12月、国立感染症研究所は、未入力の人を「接種歴不明」に計上した資料の公表を始めたが、厚労省は「未接種」への計上を続けた。

 後藤氏は「それまで毎回ずっと公表していたので、そういうデータとして発表しつづけた」とした。

 記者から「実態を反映しないと認識しながら公表を続けたのは、意図的だと言えないか」と質問されると、「何か他意があるようなことでは全然ない」と述べた。

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https://www.asahi.com/articles/ASQ673T80Q67UTFL007.html