弐瓶勉『BLAME!』重力子放射線射出装置に詰め込まれた、行き当たりばったりさと過剰なハッタリ
6/2(木) 16:29配信
弐瓶勉『BLAME!』
模型や武器が大好きなライターのしげるが、“フィクションにおける武器”あるいは“フィクションとしての武器”について綴る連載「武器とフィクション」。第5回は弐瓶勉の『BLAME!』より「重力子放射線射出装置」について取り上げる。(編集部)
■行き当たりばったりさと過剰なハッタリ
弐瓶勉の『BLAME!』は緻密な設定を持つ作品だが、一方で行き当たりばったりさと過剰なハッタリによって組み立てられた作品という一面を持っている。SF的なハッタリと作中の要素の過剰さは弐瓶の持ち味だが、初の長編連載である本作では、それが遺憾無く発揮されている。木星軌道までも続くという超巨大構造体。その中には複雑で無秩序で閉塞的な都市空間が広がり、黄昏の時代を迎えた人類がところどころに住んでいる。そんな空間を主人公である霧亥がネット端末遺伝子を求めて探索し、そして強靭な敵である珪素生物や、ネット端末遺伝子を持たない人類を攻撃するセーフガードと激しい戦いを繰り広げる。どこまでも続く巨大な階層都市空間と、超人的な戦闘能力を持つ登場人物たち。そんな作品世界の中で最強の武器として存在していたのが、霧亥の持つ「重力子放射線射出装置」だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c5601bfefcd85d0a6a5c23cbfe072572f289cb90