https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/06/12diy.php
<すぐにでも手を打ちたい、口内のつらいトラブル。しかしイギリスの場合、1年近い辛抱が求められる事態になっている>
パンデミックにより、イギリスの歯科事情は著しく悪化した。
英国民保健サービス(NHS)の待機者リストは肥大化し、虫歯の治療に12ヶ月待ちを記録する異常事態となっている。
激しい痛みを抱えたまま1年も待てないとばかりに、自ら対処を試みる人が相次ぐようになった。
抜歯や麻酔などの専門知識なくして応急処置を試みる人々が現れ、「DIY治療」の流行だとして問題になっている。
英ガーディアン紙は5月30日、『瞬間接着剤と自力の抜歯:イギリスの破れかぶれの「DIY歯科治療」の耐え難い現実』と題する記事を掲載した。
「最近はホラーストーリーが豊富にある」と記事は述べ、自らの手で5本の歯を引き抜いた女性の事例などを取り上げている。
こうした事例は、経済的に恵まれない人々のあいだでとくに多い。
同記事によると、ケンブリッジにほど近いサフォーク州の男性は痛みに耐えかね、市販の瞬間接着剤と金属ヤスリで自己流の治療を決行した。