【ジャカルタ=地曳航也】インドネシア政府は世界遺産の仏教寺院であるボロブドゥール遺跡に「入構料」を新設し、外国人観光客から100ドル(約1万3000円)を追加徴収する方向で検討を始めた。いまは周辺の遺跡公園への入園料(11歳以上、25ドル)を払えば寺院にも入れるので、実現すれば実質5倍の大幅値上げになる。実施時期は明らかにしていない。
ルフット海事・投資担当調整相が4日、SNS(交流サイト)で表明した。頂上を含む寺院内部に入るための料金を新たに設け、インドネシア人からも75万ルピア(約6900円)を徴収する案を示した。1日の入構者は最大1200人に制限する。
ボロブドゥールの公式サイトによると、現行の入園料はインドネシア人(11歳以上)が5万ルピアだ。
ルフット氏は寺院の入構料設定と人数制限について「遺跡の歴史・文化的な持続可能性を維持するためだ」と説明した。地域の雇用創出に向けて、観光客に地元のツアーガイドの同行も求めた。
中部ジャワ州にあるボロブドゥールは人気の観光地で、新型コロナウイルス禍前は1日に約1万人が訪れていた。周辺の商店などからは、新料金の導入で客足が鈍ることを懸念する声も出ている。政府関係者は「入構料の水準は政府内で議論しているところで、変更の可能性もある」と話す。

ボロブドゥール寺院観光、外国人に1万3000円上乗せ検討
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM0712Y0X00C22A6000000/