シリアでイスラム系武装組織「イスラム国(IS)」の女性戦闘部隊を率いたとして、アメリカで裁判にかけられている米国人女性が、7日の公判で起訴内容を認めた。アメリカでの攻撃を計画していたとも証言した。
カンザス州出身のアリソン・フルーク=エクレン被告(42)は、ISを支援したとする起訴内容1件について有罪を認めたほか、100人以上の女性や少女に暴力の訓練を行ったと認めた。
裁判は米ヴァージニア州で開かれており、10月25日に量刑が言い渡される予定。最長で禁錮20年となる可能性がある。
アメリカで生物学の学生から教員となり、夫や子供もいたフルーク=エクレン被告は、2011年にアメリカを離れ、リビアでISに参加。その後、シリアに移動した。
ISが首都としていたシリア・ラッカで「カティバ・ヌサイバフ」という女性部隊を率いた。女性や子供たちに、AK-47ライフル銃や手りゅう弾、自爆ベストの使い方を訓練する役割を担っていたという。
同被告はIS内で、ウンム・モハメド・アル・アムリキという名で呼ばれていた。ISがイラクのモスルを占領した際には、そこでも暮らしたという。
米大学やモールでの攻撃計画
この日の裁判でフルーク=エクレン被告は、女性部隊を訓練していたことは認めたものの、子供を部隊に勧誘しようとしたことはないと主張した。
CNNによると、被告は「意図的に少女たちを訓練したわけではない」と話した。10月の量刑言い渡しの公判では、被告が訓練した女性が数人、証言する予定。
アメリカの検察当局は、証人の1人が同被告の考えについて、1から10の目盛りがあり10が最も過激だとしたら、「11か12」だったと述べたとしている。
フルーク=エクレン被告はまた、アメリカ国内の大学やショッピングモールなどでの攻撃計画を話し合っていたことを認めた。
アメリカの家族は連絡を拒否
司法取引の書類によると、ある証人は「被告は大勢を殺さない攻撃は、資源の無駄遣いだと考えていた」と述べている。
この書類ではさらに、被告の2人目の夫が、2012年にリビア東部ベンガジのアメリカ公館を攻撃した武装組織「アンサール・アル・シャリーア」の一員だったことが明らかになった。
被告と夫は、この事件から持ち出されたアメリカの公文書を分析し、武装組織の幹部のために報告書を起草したという。なお、この夫は後に空爆で死亡している。
法廷でフルーク=エクレン被告は、判事から「子供の数が多いから司法取引をするのか」と聞かれ、涙を流した。
被告のアメリカの家族は先に、被告による連絡行為を禁止するよう裁判所に求めている。
検察当局によると、被告の親族は、被告が「数々の裏切り」を残したと話しており、量刑が言い渡される10月には、被告を批判する声明文を出す可能性があるという。
(英語記事 US woman admits to training all-female IS battalion)
https://www.bbc.com/japanese/61727843