https://news.yahoo.co.jp/articles/d8c3f238e97915f11ff4d2f59730b85d76680b85
北朝鮮から風吹く日「窓開けるな」…国境の街・丹東市、コロナ流入警戒し密輸通報には報奨金
【瀋陽=川瀬大介】中国と北朝鮮の国境地帯に位置する中国遼寧省丹東市が、国境での密輸行為への通報を呼びかけ、報奨金も出すと発表した。その理由に、市内での新型コロナウイルス再拡大も挙げており、北朝鮮からの新型コロナウイルス流入を警戒しているとの見方も出ている。
市が1日に発表したもので、国境で柵ごしに物資をやりとりする行為や海上での密輸など、中朝双方が接触することになりかねない行為を厳しく取り締まる。年末まで続けるという。
市は、住民に国境を流れる鴨緑江沿いにとどまり、水や漂流物に触れないよう呼びかけている。国境沿いの住民に北朝鮮側から風が吹く日は「窓を極力開けるな」とも求め、北朝鮮を新型コロナの感染リスクと位置づけるかのような、過敏とも言える警戒が目立つ。
韓国の聯合ニュースは5月19日、複数の消息筋の話として、丹東で脱北者数人が拘束され、中に新型コロナ感染者が含まれていたと報じていた。市は関連情報を否定していた。しかし、市内では5月24日に市中感染者が確認され、6月7日までの累計で約180人となり、感染拡大は「北朝鮮が発端」(外交筋)との見方も浮上している。
わずかな感染拡大も許さない「ゼロコロナ」政策を敷く中国では深刻な事態と言え、遼寧省の衛生当局は「丹東は複雑な状況に直面している」と指摘した。丹東市は、4月下旬に始まった感染拡大をロックダウン(都市封鎖)で封じ込めたばかりだった。一時中断している中朝間の鉄道貨物輸送の再開にも影響しそうだ。