昭和から平成にかけて飲食店などでよく見た紙製のマッチが、生産が終了し姿を消す。

「時代の象徴」生産終了に惜しむ声
年季の入った機械で次々に製造される5センチ四方の四角い商品。

紙でできた2つ折りのマッチ「ブックマッチ」だ。
台紙から外し、紙で挟んで火をつける。
この独特のマッチが、6月で生産を終え姿を消そうとしている。
東京都浅草の老舗洋食店「ヨシカミ」では、半世紀近くこのマッチを使い続けてきた。

ヨシカミ・吾妻弘章社長:
「本当に時代の象徴ですよ。お店の名物が消えるみたいで悲しいですね。さみしいですよ、さみしいですよ」
生産終了の知らせに、ネット上では懐かしのコレクションを投稿する人が続出。
ファミリーレストランやあの人気の施設でも様々な場所で使われていた
しかし、ライターの出現やたばこを吸える場所が減ったことで、マッチの需要が低迷。
生産量は最盛期の100分の1にまで落ち込んでいる。

若者は「知らない」使い方がわからない
ブックマッチの生産終了に昭和世代からは、「さみしい」「(マッチに)電話番号を書いたりとか、
ハイって渡して」「昔はよく喫茶店のレジの横に山盛り置いてましたよね」と懐かしがりながら手慣れた様子で火をつける。
その一方で若い世代からは、「知らないです。マッチですか?」という声。横から強引に
マッチを引き出そうとしたり、挟んで火をつけることを知らないためマッチが折れてしまう。
この独特のマッチを49年前から製造してきたのは、兵庫県姫路市にある日東社。
日東社・小林賢司工場長:
「こちらがブックマッチを作っている機械になっています。日本で動かしているのは、これ1台のみとなっています」
現在は、需要の低下で、2カ月に1度だけしか稼働していない

日東社・小林賢司工場長:
「今回の反響で、改めてブックマッチが生活の文化に大きく役立ってて影響したのかなって思いはあります」
昭和の懐かしい風景がまた一つ消えようとしている。


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