一橋大の入試問題流出、不正の中国人は合格し入学…全3科目を送信か

 一橋大(東京都国立市)の外国人留学生向け入試で数学の問題が外部に流出した事件で、問題を流出させたとされる中国人受験生が合格し、同大に入学していたことがわかった。警視庁はこの受験生と、仲間の中国人の男の計2人を偽計業務妨害容疑で8日に逮捕。仲間の男は調べに「数学以外の2科目は自分が解答を教えた」と供述しており、警視庁は全3科目で不正が行われたとみて調べている。

 発表によると、逮捕されたのは一橋大学生の男(22)(新宿区)と、男の元家庭教師で大学院生の男(28)(中央区)。

 2人は共謀し、1月31日に一橋大で行われた私費留学生の選抜試験で、午後4時から40分間の数学の試験時間中に複数の問題を何らかの方法で撮影。SNSを通じて画像7枚を外部に流出させ、一橋大の業務を妨害した疑い。

 試験は「日本語」「総合科目」「数学」の3科目で67人が受験し、29人が合格していた。

 男は午後4時の数学の試験開始直後に問題を撮影し、SNSで元家庭教師に送信。同3分には、元家庭教師から知人の20歳代の中国人男性に画像7枚が送られていた。

 その後、この男性が試験時間内に一部の解答を元家庭教師に伝えていたが、男性は警視庁の任意聴取に「入試問題とは知らなかった」と説明したという。

 一橋大は「学部生が逮捕されたことは遺憾。事実関係が判明し次第、厳正に対応する」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20220609-OYT1T50220/