太陽熱を活用し水素生成へ/新潟大学児玉教授、豪で大規模実証を本格化

◆実用化には熱効率「最低でも20%」

 新潟大学工学部の児玉竜也教授は太陽の熱で水素を生成する技術の研究を進めている。
巨大な反射鏡で太陽光を一点に集めて1400度程度の熱を生み出し、水蒸気と触媒を反応させて水素を得る。
9月からは日射量が多いオーストラリア・ニューカッスルで大規模な実証実験を始める。水素の活用先が広がる中、
ほぼ無尽蔵な太陽のエネルギーで二酸化炭素(CO2)を一切出さずに水素をつくれる手段として注目を集めそうだ。
 触媒には研磨剤などで利用される酸化セリウム(セリア)を使う。水素生成時は、はじめに1400度でセリアを熱し、酸素を分離する。
この反応がピークを迎えた段階でセリアの温度を800程度まで下げ、水蒸気にさらす。
 水蒸気がセリアと反応すると水素が発生する。水素の発生が落ち着いたらセリアを再度加熱し、一連のプロセスを繰り返す。

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