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年収200万円の若者はクルマを買うのか? 人気軽自動車で購入プランを考えてみた!
高卒新社会人の平均年収は約200万円、クルマは手に入れられる?
厚生労働省の調査によると、2019年時点での高卒の初任給の全国平均は16万7400円となっています。

これをボーナスなどを考慮せずに単純に年収換算すると200万8800円となりますが、年収200万円の高卒新社会人は、現実的にクルマを購入することができるのでしょうか。
さらに地域毎で詳しく見ると、もっとも高い東京都で17万8100円、もっとも低い沖縄県では14万5200円となっています。
年収換算ではそれぞれ213万7200円、174万2400円となり、地域によって差はあるものの、年収200万円というのはおおむね高卒新社会人の水準と見て良さそうです。
常識的に考えれば、200万円程度の年収で独立した生活をおこない、そのうえでクルマを手に入れるのは簡単ではありません。生活の一部を極端に切り詰めればやってやれないことはないかもしれませんが、決しておすすめできるものではありません。
そこで、今回は実家暮らしであることを想定し、住居費と駐車場代は発生しない前提で話を進めたいと思います。また、月々の収入以外の資産や、両親などからの援助はないものとします。
額面給与が17万円程度の場合、おおよその手取りは14万円程度となります。仮に、この30%をクルマ関連の費用にあてた場合、毎月の予算は4万2000円ほどとなります。
車両の支払いにあてられるのがこの半分程度とした場合、月々2万1000円程度の支払いで手に入れられるクルマを探すことになります。
例えば、2021年に日本でもっとも売れた軽自動車であるホンダ「N-BOX」はどうでしょうか。
エントリーグレードの「G」(144万8700円)を、ホンダが提供する実質年率3.5%のディーラーローンを利用し、3年ローン(36回払い)を組んだ場合、月々の支払額は約4万2400円となり予算オーバーです。
同じ条件で5年ローン(60回払い)にすると、月々の支払額は約2万6300円となり多少現実味を帯びてきますが、まだまだ予算オーバーです。
7年以上のローンを組むことができれば、月々の支払額を予算内におさめることができますが、ホンダのディーラーローンでは5年以上のローンは取り扱っていないため、その場合は信販会社や金融機関からの借り入れをすることになります。

予算が少ない場合には中古車を選ぶのが一般的です。
ただ、新車の納車遅れの影響により、中古車価格が高騰している昨今では、状態の良い中古車は新車とそれほど変わらない価格となっています。
月々の支払額が2万1000円程度とすると、3年ローンを組んだ場合で約75万6000円の予算となりますが、金利も考慮すると60万円から70万円程度の個体のなかから選ぶ必要があります。
例えば、この予算でN-BOXの中古車を探すと、現行モデルはほぼ存在せず、先代モデルであっても、走行距離が1万km未満の程度の良い個体はほとんど見つかりません。
もちろん、中古車選びの際には一定の妥協も必要ですが、中古車の難しいところはクルマの状態が1台ごとに異なることです。
内外装の状態はある程度判断できても、機関系などの状態はなかなか判断できません。
最近では保証のある中古車販売店も増えてきましたが、基本的には車両価格が安ければ安いほど、購入後の故障リスクは高くなるといえるでしょう。
もし、購入直後に大規模な修理が必要となった場合には、まとまったお金が必要となる可能性があります。そうしたリスクを考えると、コスト面だけで中古車を選ぶのはおすすめしません。
若者は「サブスク」ならクルマを買うのか?
最後の選択肢は、残価設定ローンや個人向けリース(サブスク)です。これらは、厳密にいえば「購入」ではないため資産とはなりませんが、事実上は自分のクルマとしてほぼ自由に利用することができます。
N-BOXの場合、残価設定ローンを利用すると3年ローン(36回払い)では月々の支払額がおよそ2万5000円ですが、5年ローン(60回払い)ではおよそ1万9000円となり予算内におさめることができます。
また、ホンダのサブスクプランである「ホンダ マンスリー オーナー」では、月額2万9800円からN-BOXを利用することが可能です。
若干予算オーバーではありますが、この料金のなかには車両価格以外にも、基本的なメンテナンス代や車検代、自動車保険の費用や税金まで含まれているため、トータルでは予算内におさまるといえます。
たしかに、現金一括で購入するほうがトータルの支出は安く抑えられ、資産とすることもできます。
しかし、お金が貯まるまでの時間が長く掛かることや、クルマを所有すると、車検やメンテナンス、税金などについても自身で考えなければならないという側面もあります。