https://www.j-cast.com/2017/02/21291061.html?p=all
【事例1】少女の年齢は4歳1か月。場所は市立公園の噴水広場。
市立公園のバラ園にある噴水広場は、立ち入り禁止となっているが、多くの子どもたちが遊んでいた。少女も父母と一緒に遊んでおり、噴水の出る金属筒をまたいでいると、急に水が噴き出て会陰部(えいんぶ・膣口から肛門までの間)を直撃した。流血が止まらず、慌てて近くの医院を受診した。そこでは止血が困難だったため、総合病院産婦人科へ救急搬送した。
産婦人科医が診察すると、膣の最も奥にある子宮入り口の「後腟円蓋(こうしつえんがい)」から動脈出血していた。バイポーラー(電気ピンセット)で焼却止血し、膣内にガーゼを入れ圧迫止血をした。それでも出血が止まらないため入院した。貧血と微熱が続いたが、3日目には出血が収まり、全身の状態が改善したので退院することができた。

【事例2】6歳3か月。ホテルのプールのジャグジー付近。
少女は子ども数人と一緒に、ホテルのプール内に設置されているジャグジー水流を利用して遊んでいた。少女の両親はプールを観察できる範囲にいたが、少女のそばにはいなかった。子どもたちは、ジェット水流の出口付近に集まり、水流の圧力によって浮き輪が押されて進む遊びを楽しんでいた。
ちょうど少女がジェット水流の出口近くにいた時に、誰かが水流の勢いを増すボタンを押したため、水流が一気に少女の陰部を直撃した。少女は号泣した。両親が飛んできてプールサイドから見ると、少女の下半身から出血していた。いったん出血が止まったので自宅に帰った。しかし、3日後に再び出血したため救急外来を受診した。
医師が診察すると、小陰唇(尿道・膣口の両脇にあるひだ)に裂傷があった。幸い、縫合が必要なほどの傷ではなかった。その後、出血はなく、排尿も問題なく行えたため自宅での経過観察となり自然軽快した。

【事例3】3歳8か月。自宅の風呂場の浴槽の中。
少女は母親と姉(8歳)との3人で入浴していた。母親は洗い場で洗髪などをし、少女と姉は浴槽内で遊んでいた。少女が、子ども用の手桶を浴槽の底に横向きに置き、手桶の柄の部分にまたがるように正座をしながら跳ねたところ、柄の部分が陰部にぶつかった。少女は激しく号泣した。母親が少女を抱きかかえると下半身から出血していた。
近くの小児科を受診すると、会陰部外傷と診断された。しかし、そこでは止血できなかったため総合病院に救急搬送された。産婦人科医が診察すると、小陰唇や膣内に裂傷があり、処女膜が損傷していた。縫合できる状態ではなかったため、被覆材やガーゼによる圧迫止血を1時間近く行なった。1日の入院で出血は収まった。排泄に問題がないことを確認し退院した。