まさに「大山鳴動して鼠一匹」である。岸田政権は「新しい資本主義」を具体的な政策として打ち出すために、有識者や新興企業関係者などの改革派を交えて6カ月間奔走した。だが、6月7日に閣議決定されたその実行計画は、多くの参加者を大きく失望させる、形だけのものであった。

具体的には、岸田首相が掲げる「健全な成長と平等な所得分配は互いに必要である」という基本理念に対する自民党内や金融市場からの「社会主義を推進している」という非難に簡単に屈する形になった。「成長の果実を再分配しなければ、消費と需要は増えない」という主張は社会主義ではない。これは、標準的なマクロ経済学における、長年の評決なのである。

日本人の給料が上がらないのは「企業が渋る」から 「骨太」打ち出した岸田首相が本当はすべきこと | 政策 - 東洋経済オンライン
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