https://news.yahoo.co.jp/articles/910842bd67daa835cdc7c3ee13b05de48b775564

5月開始 高齢者の「運転技能検査」 改正道路交通法施行

5月13日の改正道路交通法の施行により、新たな高齢ドライバー対策として始まった運転技能検査。

この運転技能検査は、免許更新の際に実際に車を運転して技能を確認する検査。
対象は75歳以上の人で、免許更新時の誕生日から160日前を起点として、そこから過去3年間に信号無視や速度超過など11種類の違反のうち1つでも違反をしていた場合に受ける必要がある。

不合格の場合は免許失効となるが、期間内であれば何度でも受検できる。
対象者は運転技能検査を受けた後、従来から行われている認知機能検査や高齢者講習を受けることになる。

ではなぜこの制度がスタートしたのか。
背景には、高齢ドライバーによる事故の件数が高止まりしている現状がある。

県警によると、岩手県内では2021年、75歳以上のドライバーによる事故が189件起きていて6人が亡くなっている。
これは死亡事故全体の1割以上を占めていて、その割合は徐々に増加している。
人や車などの認識の遅れが原因とみられる事故が多いという。

県警運転免許課 鈴木壮次長
「認知機能の低下に加えて、身体技能の変化に着目して始まったものです」

県警によると、県内では6月14日までに4人が「運転技能検査」を受けていて3人が合格、1人が不合格となっている。
不合格だったドライバーは練習をして再度チャレンジするという。

ところで、この検査の認知度は広まっているのだろうか。
講習のため盛岡市内の教習所を訪れていたドライバーに聞いてみると…

ドライバーは…
「(運転技能検査は)分からなかった。運転は仕事上必要なので」
「(運転技能検査は)ちょっと分からない。今まで買い物とか病院とかなんとなくやってきたけれど、免許がなくなったら大変」

検査が始まって1カ月経ったが、まだまだ知らない人が多いようだ。
そこで、実際にどんなことをするのか体験してきた。

運転技能検査は自動車教習所で受けることになる。
チェック項目は6つで、右折と左折、一時停止など基本的な運転技術を採点する。
検査は100点満点からの減点方式で、普通免許は70点以上が合格となる。
20分ほどで全ての検査を終えた。
さて、結果は…

県警運転免許課 照井圭寿講習兼免許・試験補佐
「走行については減点項目はなかったので、合格ということになります」

実際に体験して、基本的な運転ができていればそれほど難しくないということが分かった。

県警運転免許課 照井圭寿講習兼免許・試験補佐
「運転の癖がついて重大事故に発展するケースがよく見られる。いま一度自分の運転を見直していただきたい」

対象者には免許更新の6カ月前には「運転技能検査」という文字が書かれている紙が届く。
県警では「届いたら早めに教習所に連絡し予約をしてほしい」としている。