ローマ(CNN) ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は、ウクライナでの戦争について
「おそらく何らかの方法で誘発されたか、あるいは阻止されなかった」
との認識を示した。14日刊行の伊紙に掲載された所見の中で述べた。

報道によると教皇は先月19日、キリスト教関連の文化的出版物に携わる
団体の責任者と言葉を交わした中で、「我々が今目の当たりにしているのは残虐かつ
凶暴な行為に他ならない。こうした戦争を遂行している部隊は大半が傭兵(ようへい)であり、
ロシア軍がこれを活用している」と指摘。同軍がチェチェン人やシリア人を含む傭兵を進んで送り込んでいると付け加えた。

「しかし危険なことに我々は、この点にしか目を向けていない。
確かに恐ろしい話ではあるが、それだけでは全体像が見えず、戦争の裏で何が起きて
いるのかが分からない。おそらくこの戦争は何らかの形で誘発されたか、
あるいは阻止されなかったのだろう。兵器のテストや売却に関心が向いている印象も受ける。
とても悲しいが、基本的に今重要視されているのはこうしたことだ」(フランシスコ教皇)


さらに教皇は、ロシアのプーチン大統領を「支持」するわけではないとしつつ、
「複雑な問題を善悪の区別に単純化しようとするのは断じて反対だ。根源的な要因や利害関係
について考えることが不可欠で、それらは非常に入り組んでいる」と分析。
「我々はロシア軍の凶暴さや残虐さを目の当たりにしてはいるが、解決を目指すべき問題があることを忘れてはならない」と続けた。
このほか、ロシアのウクライナ侵攻前に「ある国家元首」と会談したと明かした。その元首は「NATO(北大西洋条約機構)の動きについて大変な懸念を抱いていた」という。

「ただここで状況を一段と複雑にしているのは、ある『超大国』による直接的な介入だ。自国の意思を押し付けようとするその行動は、民族自決の原則に反する」と語った。
https://www.cnn.co.jp/world/35188979.html