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――ほんとにやってられないよ。農家に嫁に来てもらうためには、結納金が100万元から200万元、どんなに少なく見積もっても十数万元必要なんだそうだ。まさに「天の価格の結納金」だ。こんな悪習慣、厳しく処置してほしい! ――僕ら山東省地域では、世間でいう「天の価格の結納金」というのはないな。だいたいが6万8000元から8万8000元の間くらいだ。ただし、男性側は女性側に「4金」を用意しなくてはいけない。イヤリング、ネックレス、指輪、ブレスレットだね。これらは絶対ケチってはならない。つまり結局、かなりの物入りになってしまう。
――一般的な家庭の場合、結納金は15万元以上で、車と家を持っていることが結婚の条件となる。もしも車や住宅がない場合、100万元ほど足さなければならず、結納金は簡単に「天の価格」となってしまうだろう。この天文学的数字を、政府は厳しく取り締まってはいるが、こうでもしなければ、男性は嫁をもらうことができず、女性だって結婚が難しくなる。ああ、ほんとに人の世は困難の連続だ……。
――結納金というと必ず出てくるのが「万紫千紅一片緑」だが、これっていったいいくらなんだい?
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(中略)
現代はどうか。簡単には測れない。結納金はまさに「天の価格」にまで上昇したからである。
象徴的なのが「三斤三両」「万紫千紅一片緑」だ。
「三斤三両」は、一斤500g×3、一両50g×3、合計すると1650gである。肉でも野菜でもない。100元札で1650gが必要だという意味である。金額にすると、13万6000元(約258万円)ほどになるらしい。
「万紫千紅一片緑」とはどういう意味か。
万紫千紅とは、花が色とりどりに咲き乱れる様で、この場合、貨幣の色を指す。万の紫、紫色の5元札は1万枚、千の紅、赤い色の100元札は1000枚、それに加えて可能な限りの緑色の50元札が必要だという意味だ。合計すると、最低でも15万元(約285万円)になるという。
必要なのは現金だけではない。
現金に加え、欠かせないのが「一動不動」である。「一動」とは一台の車、「不動」は一軒の家である。金銀の装飾品から始まり、新居と新車は結婚にあたり「ひとつたりとも欠かせない」重要項目である。これに現金が加わるからたまらない。
問題は、高額な結納金。都市では形骸化しつつあっても、農村地区、特に貧困地域で、ますます過剰になっていることだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1d6fbcfbbfca9fabc5bf4546fe8104b5c901fe40?page=1