ファッションでも日本で存在感「中国ブランド」躍進の背景

昨年、阪急百貨店うめだ本店に「アイシクル」というレディースブランドが初出店し、同時期に銀座松屋に「ダンノン」というメンズブランドが初出店しました。この2つのブランドの共通点はともに中国のブランドだということです。

これまで、衣料品の生産拠点だった中国がついにオリジナルブランドを日本国内の都心一流百貨店に出店するようになったということで業界関係者からは注目を集めました。銀座松屋のダンノンはイッセーミヤケの跡地ですから、相当に評価が高いことがわかります。

今回は中国ブランドが日本の都心百貨店に出店できるようになった理由について考えてみたいと思います。個人的には、理由は大きく分けて2つあると考えられます。

1、コロナ禍による追い討ちで出店できるほど体力のある国内アパレルがほとんど無くなった

2、中国ブランドのデザイン力・企画力が向上した

の2点です。



◆全世界での売上が1兆円に到達した通販ブランド「シーイン」

もう一つ、現在、経済系メディアや繊維業界メディアで注目され、連日報道されている低価格ネット通販ブランド「シーイン」があります。これも中国ブランドで、先の2ブランドと異なり、ネット通販専用の低価格ファストファッションブランドですが、2018年に設立したばかりにもかかわらず全世界での売上高が1兆円に到達したという急成長を遂げました。

日本でもその安さに釣られて購入している学生や若者が数多くいますが、ブランド名や本国を知らずに購入している学生も少なくないようです。安いとは言ってもこのブランドもデザインは粗悪ではなく、学生が購入した商品を何点も実際に見せてもらいましたが、日本の低価格ブランドのような雰囲気があります。

同じ低価格グローバルブランドというとZARAやH&Mなどが有名ですが、こちらは縫製仕様や使用素材に欧米特有の「雑さ」があるのですが、シーインの商品は「雑さ」が無く、ブランドタグさえ見なければ日本の低価格ブランドと同じように見えています。これも中国がこれまで20年間、世界各国向けの衣料品の生産地だったノウハウを積み重ねた結果と言えるのではないでしょうか。それでいて商品の定価はジーユー並み、値下げ品はジーユーの値下げ品以下という安さなので人気があるのも理解できます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/69a98ca5cb2053e936d86c12d85525d62ae7a1e3