「命取り」になる可能性がある“靴選び”…水害での避難時に「長靴」がダメな理由とは？
手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMの番組「防災FRONT LINE」。今回の放送では、水害に見舞われたとき、「長靴がダメな理由」について取り上げました。
最近、すっきりしない日が増えてきましたね。これからの時期は、大雨や線状降水帯などの急な雨にも注意が必要ですが、もしあなたの住んでいる地域が大雨に見舞われたら、どんな靴で避難しますか？
長雨や集中豪雨による河川の氾濫などで家から避難しなければならなくなった場合、足元は“長靴”が最適と考える方も多いと思います。しかし、その状況での長靴はおすすめできません。
長靴は水がしみこみにくい構造になっていますが、上の部分から水が入ってしまったら、長靴のなかに水がたまってしまいます。それによって長靴自体が脱げてしまったり、転んでしまう可能性も。
それでは、どんな靴で避難するのが良いのでしょうか？ ポイントは「滑りにくく、脱げにくい靴」です。最も良いものは底にギザギザなどの滑り止め加工がある靴。足を覆い、ヒモでしっかり固定できるような靴なら、さらに脱げにくくなって安心です。
例えば、工事現場などで履かれている「安全靴」と呼ばれる靴の多くは、底に滑り止めがあり、ヒモなどで足と靴を固定できる作りになっているため、防災全般用の靴としても最適です。
また、安全靴のなかでも形や素材、色などいろんなものがあります。例えば、すねを保護するブーツタイプや「セーフティスニーカー」などと呼ばれる普段履きとしても使えそうなスニーカータイプのもの、革靴のようなデザインのものなどもあります。
今回のテーマである水害対策用で選びたいのは、特に滑りにくい靴底タイプのものです。安全靴のなかでも、耐滑性を売りにしている商品には「超耐滑」「耐滑底」と表示されているものがあるので、それを元に検討すると良いでしょう。
また、お店ではなくネット通販で購入される方は「認定・認証マーク」のある靴かどうかを確認しておきましょう。日本産業規格に適合していることを示す「JIS」マークなど、一定基準以上の安全性能が認められているものであれば安心して購入できます。
“避難時には安全靴が良い”とお伝えしてきましたが、“全員分の安全靴を置いておくスペースがないなぁ……”という人には、防災向けの「セーフティインソール」というものがあります。こちらは、薄い鋼板素材などでできていて、普段使いの靴のなかに敷けば、水害などで避難するときに尖ったガラスなどを踏んでしまっても、このソールが足を守ってくれます。男性用や女性用、子ども用などがあり、価格は1,000～2,000円程度です。
靴選びの失敗は命取りになる可能性を秘めています。梅雨や台風の季節がくる前に家族全員分の防災用の靴を準備しておきましょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ee076cf24589a8aec8d96f226b76757a9123051
